もう勝負ついてるから。

~次世代系無職マガジン~

誰かに10年、片思いをするという事

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こんばんは、激務続きで部屋が豚小屋になってる氷太です。

もう足の踏み場もないから、バキバキッと何かを踏み壊しながら移動してる。

掃除しなきゃ掃除しなきゃとは思ってるんだけど・・・。

 

ここまで来ると掃除したら負けかな?って思えてきた。

こういうノリでいつもブログを書いているんだけど、今日は真面目に書いて行く。

 

どうしても、今日のこの記事だけは、いつもの調子で書いていく事ができない。

感情を文字に置き換える事って、こんなにも難しい事なんだね――。

たどたどしいかもしれないけれど、頑張って書いていくね。

10年間、誰かに片思いをするという事

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オレは旅館に務めているので、様々な愛の形を目にする。

沢山の蛍達が飛び交う中、プロポーズをした人。

日々の感謝の言葉を贈り合い、結婚記念日を過ごす人。

長年連れ添う中で築き上げた思い出を、遺影と共に胸に偲ばせながら過ごす人。

 

そういう人達を見ていて、思う事がある。

いつか自分も、そんな風になれるのだろうかと。

最後に「幸せだった」と、人生に幕を下ろす事ができるのだろうかと。

 

残念ながら、オレは、未だに愛を知らない。

そんな未来が自分に訪れる様子が、全然見えてこない。

きっと実感できる程、与えた事も、与えられた事もないんだと思う。

 

「そんな良いものでもないよ。」

人はそう言うけれど、その言葉を放つ時、必ず笑顔になっている。

それが、その笑顔の奥にある感情が、オレにはとても羨ましく感じる。

自分の人生は、真っ暗な闇の中を歩いているんじゃないかと思えてくる。

 

それでもオレの心に1つだけ、光を放ち続けている灯火がある。

10年間想いを募らせている人がいる。

その事実とその感情だ。

 

出会い 

20歳過ぎに、知り合いに無理やり連れて行かれたバーで出会った。

その子は年上だけど、年下に見えるくらい若く、そして片耳が聞えない子だった。

よく喋って、よく笑う子だった。

百合のように、佇んでいても存在感を放つ人だと思った。

 

 

共通の知人が居て、知人経由でその子の家に行く事になった。

玄関先で、大きい皿でジャガイモの苗を育てていた。

嬉しそうに水をやる姿を見て、変わった子だなと思った。

「大きくなったら食べたい」と言ったら、ダメだと言われた。 

 

 

2人で一緒に映画を見る事になった。

植物や動物が好きだという事が分かった。

帰り道にすれ違う子供を見つめて、笑顔になるような人だった。

きっと良い奥さんになるんだろうなと思った。

 

 

その子の家のテレビが壊れたとの事で、修理しに行った。 

直してテレビを映したら、料理番組でオムライスが調理されている場面だった。

まるで魔法のように作られていくその様子を、ジッと見ていた。

「オムライス好きなの?」と聞かれ、「うん」とだけ答え仕事に向かった。

 

 

買い物に誘われ、一緒に出かけた。

貰った花を生けるために、花瓶が欲しいとの事だった。

家に帰り、キレイに生けていく様子をずっと眺めてた。

出来上がった作品は、まるでその子のようだと思った。 

 

 

ムリヤリ酒を飲まされて、介抱されてその子の家に行っていたようだった。

夕方に起きるとその子の姿はなかったが。

オムライスがテーブルの上に置かれていた。

胸が締めつけられるような感覚になって、思った。

 

砂がいつの間にか衣服に入り込んでいるように――。

風がゆっくりと硬い岩石を風化させるように――。

人が人を想う気持ちは、そうやって気付かぬ内にジンワリ暖かく伝わっていくのだと。

 

その子の放つ言葉、人を思いやる考え、オレが持ち得ていない感性。

どこが好きなのかはハッキリと分かるのに、いつ好きになったのかは分からない。

こんな不思議な感情が、自分に宿るなんて思いもしなかった。

 

鼓動が強く訴えかけてくる。

お前はその子の事が好きなのだと。

 

初めて花束を買った。

百合の花束、オレがその子に連想する花。

メッセージは何も書かなかった。

直接渡して、直接言いたい言葉があった。

 

大事に抱えて帰ると、その子は家に戻っていた。

何も言わずに花束を渡すと、その子は驚いた顔をした。

どうしてか、考えてた言葉が出てこなかった。

どうしてこんなに不器用なんだろうと思った。

 

「きっと、同じ気持ちです。」

彼女は笑ってそう言ってくれた。

嬉しくて泣いたのは初めてだった。

これからきちんとオレの気持ちを伝えていこうと思った。

例え、言葉で上手く表せなくても。

 

別れ

問題が大きく分けて2つあった。

1つ目は、オレ達の生き方や考え方が正反対だという事。

2つ目は、彼女の『片耳が聞えない』ハンデを、受け入れる程オレは大人ではなかった事。

 

彼女の苦悩を、苦悩と捉えてあげる事ができなかった。

単なる甘えだと、彼女を追い詰めてしまった。

彼女は決して間違ってなんかいなかった。

 

間違っていたのは、一緒に抱えてあげる事なく自分の価値観を押し付けていた自分。

どんな時でも1番の理解者にならなければならなかった。

全ての人間が彼女を否定したとしても、自分だけは彼女を肯定してあげなければならなかった。

いつしか自分は1番の理解者とは程遠い、1番の敵になってしまっていた。

 

「別れよう」と彼女が言った。

もう戻れない、そんな時にそんな事に気付くなんて、自分は何て愚かなんだろうと思った。

黙って頷くと「そういう優しい所が好きだった、ありがとう。」とその子は言った。

耐え切れずに、その場から逃げ出すように立ち去った。

 

近くの公園で、泣いた。

胸が押し潰されそうで、このまま死ぬんじゃないかと思った。

この痛みは、この痛み分、欠けたからなんだと思った。

その子がオレの心の穴を埋めていた部分が、満たしてくれていた部分が。

 

その子がどれだけの物をオレに与えてくれていたかを、初めて実感した。

どうしてもっと大事にしてあげられなかったんだろう。

どうして自分の事ばかりしか考える事ができなかったんだろう。

自分は一体、どんな役割を果たしたんだろうか?

一瞬でも、その子に意味を渡せたんだろうか? 

 

1人で泣いてると「どうしたの?」と声を掛けられた。

顔を上げると警察の人だった。

「身分証見せて」と言われた。

警察官死ねと思った。

 

10年の中で変化する気持ち

好きだという気持ちは、全く衰えない。

むしろ強くなっていくばかりだ。

半年に1回くらいの頻度で、その子に会いに行っている。

 

泊めさせて貰ってるけど、何もしない。

人に毛布を掛けてあげる事が、こんなにも心温まる行為だと思わなかった。

 

その子はモテるので、彼氏ができるのもオカシイ話じゃない。

彼氏との幸せな出来事。

別れようか悩んでいるという事実。

相手が居る時は、そういう話をされる時がある。

 

初めは苦しかった。

その子に特定の相手が居るという事実が、とても耐えがたかった。

でも離れて、思い続けている内にそれらを受け入れる事ができるようになった。

 

心から彼女の幸せを願うようになっていった。

オレの心を縛りつけているその笑顔が、オレに向けられたものじゃなかったとしても。

彼女が幸せになるように、背中を押す事ができた。

 

・・・本当は苦しい、苦しいよ。

何度も何度も、もうこんな気持ちを持ち続けるのは止めようと自分に言い聞かせた。

「もう忘れよう」、そう心に刻み込んでも・・・・。

次の日には、笑っている姿を思い返して、苦しい時でも足を進める追い風になっている。

 

片想いって、楽しい事ばかりじゃない。

でも、辛い事ばかりじゃない。

叶わなくても、報われなくても。

誰かを好きでいる幸せを、知る事ができた。

 

これを愛というのかは分からない。

皆はどう思う? 

 

今後どうしたいのか? 

オレが想いを伝えようとする時に、相手が居て幸せならもうそれでいい。

それならオレのすべき役割は、もうない。

その子が少なくとも、オレの彼女だった時よりも幸せである事を願うだけ。

小さく、しっかりと輝いてるオレもこの気持ちを、大事にして生きていくだけ。

 

でも1人で居て、誰かの暖かさを求めているなら、告白しようと決めている。

オレは器用じゃないから、求めるような人間になれないかもしれない。

でも、例えそうはなれなくても、少しでも近づけるように努力を惜しまない人でありたい。

 

でもどちらにせよ、伝えられなかった感謝の気持ちだけは伝えたいかな。

前よりも大きな花束で、きちんと言葉に表して。

できる事なら、愛の言葉と一緒に。

 

まとめ

このブログに1つも恋愛の記事がないのが分かっただろう?

拗らせてるんだよ、オレの恋愛って。

人に何かを教えられる程、今まで何かを相手にしてあげた実績がないんだよ。

 

誰に話しても信じてくれない、10年の片想い。

でもこれがオレの、たった1つの恋愛らしい恋愛なんだ。

 

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